
一般的に、オス猫を飼う際には、去勢をすることが推奨されています。
では、去勢をすることで具体的にどのようなメリットがあり、また、どのようなリスクがあるのでしょうか。
今回は、去勢手術を行う際に知っておきたいことも合わせて確認していきましょう!
もくじ
去勢をすることによるメリット
去勢をするメリットは、大きく分けて3つ考えられます。
1.病気の予防
猫はもともと犬よりも、生殖系の病気を発症する確率は低いと考えられていますが、
去勢手術をすることにより、さらに、
- 猫免疫不全ウィルス感染症、いわゆる猫エイズへの感染リスク軽減
- 前立腺の病気予防
- 精巣腫瘍の予防
を期待することができます。
去勢手術は、愛猫の病気を未然に防ぐ一つの手段であるといえるでしょう。
2.性的欲求からくるストレスがなくなる
猫は通常、生後6~10か月で性成熟を迎えるといわれています。
定まった発情期はありませんが、性成熟を迎え、
発情期の女の子猫と接触すると発情し、いつでも交尾ができるようになります。
しかし、おうちの中で飼っている場合、オス猫は、メス猫と出会うことがありません。
大きな鳴き声を出したり、マーキング行為をすることはありますが、
肝心の交尾ができないため、オス猫にとってはそれが大きなストレスの要因となってしまいます。
去勢手術をすることで、こういった猫ちゃんのストレスはなくすことができます。
3.攻撃性が和らぎ、いたずらや問題行動が減る
おうちで飼うオス猫ちゃんの発情期に悩まされて、この理由で去勢をする方は最も多いのではないでしょうか。
性的欲求が減り、性的アピールであるマーキング(スプレー行為)をしたり、むやみやたらに大きな声を出したりということがなくなります。
また、オス猫のもつ縄張り意識が低下するため、他の猫とのケンカ等の問題行動も見られなくなります。
去勢をすることによるデメリット
去勢手術をするとホルモンバランスが変化します。
そのため、性的欲求が抑制されたことによるメリットも多く挙げられますが、生き物を変えることには必ずリスクが存在することを忘れてはいけません。
去勢するリスクについて、主に3つ説明していきます。
1.子孫を残すことが出来なくなる
1番に考えれる、リスクともメリットともとれる結果ですが、繁殖機能を摘出してしまうので、おうちでオス猫とメス猫の両方を飼っていても、繁殖はできなくなります。
今飼っている猫ちゃんの子どもも一緒に育てたい!と考えている方は、タイミングを考えてしましょう。
しかし、猫が増えすぎてしまって育てられなくなっては猫ちゃんがストレスを感じますし、一歩間違えれば虐待にもなります。また、大声で鳴いたり、マーキングによる悪臭を排除しきれなくなって近所迷惑になってしまわない様に周囲にも気を遣いましょう。
2. 肥満になりやすい
ホルモンバランスが変化すると食欲が増進するのです。
さらに、食べる量が増えるだけでなく、代謝も低下し、筋肉もつきにくくなるため、同じ量のごはんでも太りやすくなることが多いと考えられています。
去勢後用のフードやカロリーが引くめに作られている食事を与えるようにしましょう。また、適度に運動をさせてあげるよう意識してもいいかもしれませんね!
3. 全身麻酔のリスク
現代医療は進歩しているため、麻酔薬の安全さ、技術の高さなどはほぼ問題ないと考えられます。
しいて言うなら全身麻酔は猫へのストレスという面では負担をかけてしまいます。
手術前には、健康管理を行い、猫ちゃんが万全な状態で手術に臨めるようにしましょう。もし心配であれば気が済むまで担当医のお医者様と気になる点をお話ししてみるのも大切です。
去勢手術に臨むにあたり知っておくべきポイント
次に、去勢手術をする際の、
タイミング・費用期間・手術前後の注意を説明していきます。
タイミング
一般的には性成熟を迎える時期である、6~10か月齢で手術を実施することが多いようです。
以前は、一歳未満の猫に去勢手術をすると、膀胱炎の発症リスクが高まると言われていました。
しかし、現在では、年齢と膀胱炎の発症リスクの可能性はないと考えられているようで、早期に手術を行っても問題ないとされています。
費用・期間
去勢手術の費用としては、15,000円~20,000円が相場のようです。
別途複数検査のための料金がかかる場合がほとんどです。
助成金が受けられる場合もあります。お住まいの地域の情報を調べてみましょう。
去勢手術の期間としては、日帰りor 1日入院となるようです。
去勢手術は精巣を摘出する手術です。全身麻酔をかけた後の手術時間は10分程度で終わるため、日帰りも多いですが、猫ちゃんの状態によっては一日入院することもあるようです。獣医さんの判断に任せましょう。
手術前後の注意
手術前の注意として、
・体調を整えておく
・ワクチンを済ませておく
・シャンプーを控える
といったものがあります。また、別途担当医から受けた指示にも従いながら手術を待ちましょう。
手術後の注意として、
術後は食べ物を食べさせられません。12~18時間位前から絶食し、当日はお水も飲ませられません。
手術でできた傷口をスムーズに治すために、エリザベスカラー(手術後に傷口を舐めることを防ぐための防護具)などを猫に装着し、猫が自分で傷口を舐めたり噛んだりしないようにします。病院で、処方してくれる場合もあります。
手術後には、傷口が膿んだりするのを防ぐため、病院から3~5日間分、抗生剤や消炎剤が処方されます。傷口はおよそ一週間程度で回復しますが、それまではいつも以上に猫を気遣って、むやみに疲れさせたり、環境を変えたりすることは控えましょう。
筆者の猫も以前手術をした際、エリザベスカラーを装着しましたが、
「早く治るといいなぁ」と思う反面、普段見ないフォルムにいっそうの可愛さを感じたりもしました…(笑)
少し話が逸れてしまいましたが…
退院後、食欲がしっかり戻るか、排せつの様子は大丈夫か、なども気にかけてみておきましょう。
気になる症状があった場合は早急に動物病院に相談しましょう。
終わりに
猫の去勢は怖いものではないんじゃよ。
今度はねこたまのために避妊もさせたほうがいいのか気になったなあ!