うさぎにさつまいもの実はNG!与える危険性を徹底解説

さつまいもは、うさぎに与えるのに適しません。さつまいもに含まれるでんぷんはうさぎの消化が困難である上に、発酵して腸内細菌のバランスを崩してしまうからです。

腸内細菌のバランス崩壊はうさぎの体調を崩すだけでなく、時に命に関わる事態を招きかねません。うさぎにさつまいもを与える際には実の部分ではなく、皮や葉を与えましょう。特に皮の部分は栄養価が高く、うさぎに与えるのがおすすめです。 

 

うさぎにさつまいもの実を与えると危険な理由2つ

さつまいもに含まれるでんぷんは、うさぎの体に数々の悪影響を及ぼします。以下では、うさぎにさつまいもの実を与えると危険な理由を2つ紹介します。

 

①腸内発酵に異常が起こる

さつまいもに含まれるでんぷんは、うさぎの腸内で発酵してしまう性質があります。うさぎは粒子の大きなでんぷんを消化するのが苦手な動物です。イモ類のでんぷんは粒が大きいため、消化酵素がうまく働かず未消化のでんぷんが盲腸に流れ込んでしまうのです。

さつまいもを口にし続けると盲腸の繊維消化率はどんどん悪化し、以下のような症状を引き起こします。

  • 腸内微生物の減少
  • 消化管うっ滞
  • 腸のぜん動運動機能の悪化
  • 下痢
  • ガスの腸内異常発生 など

消化管うっ滞を引き起こすとうさぎは手術を必要としたり、最悪死んでしまう可能性があります。繊維質の消化ができなくなることは、うさぎにとっては致命的です。

腸内のバランスを崩壊させるでんぷんを多く含むさつまいもの実は、うさぎに与えないようにしましょう。

 

②高カロリーなので肥満になりやすい

さつまいものカロリーは、100gあたり131キロカロリーと非常に高いです。そのうえ糖質も非常に多いため、さつまいもを頻繁に食べるうさぎはたちまち肥満化します。うさぎが肥満化すると、以下のようなさまざまな症状が現れます。

  • 動脈硬化
  • 脂肪肝
  • 胃腸うっ滞
  • 関節炎
  • ソアホック
  • 皮膚炎
  • 麻酔量の増加 など

肥満はさまざまな病気の原因となり、うさぎの寿命を縮めてしまいます。一度太らせてしまうと、痩せるためには食事療法や運動療法を徹底しなければなりません。

よって、高カロリーなさつまいもはうさぎのおやつに適していないといえるのです。

 

さつまいもの他の部位は食べられるかを解説

さつまいもの実はうさぎには適しませんが、他の部位は食べられるのでしょうか。ここでは、さつまいもの他の部位をうさぎは食べられるか徹底解説します。

 

①さつまいもの葉|食べられる!

さつまいもはじゃがいもなどと違って葉に、うさぎに対する有毒性がありません。よって、さつまいもは葉ならばうさぎに与えても問題ないといえます。

さつまいもの葉には、以下の栄養素が多く含まれます。

  • ビタミンC
  • カルシウム
  • ビタミンK
  • ビタミンE
  • ルテイン
  • ポリフェノール など

活性酸素のはたらきを抑制するポリフェノールや、活性酸素を除去するビタミン類などが、さつまいもの葉には豊富です。うさぎにさつまいもの葉をおやつとして与えれば、疲労回復や病気・老化の防止ができるといえるでしょう。

 

②さつまいもの皮|食べられる!

捨てられてしまうことも多いさつまいもの皮ですが、実はうさぎに嬉しい栄養素をたっぷり含む食品です。実の部分よりも栄養価が高いさつまいもの皮には、以下の栄養素が含まれます。

  • アントシアニン
  • クロロゲン
  • 食物繊維
  • カルシウム
  • ヤラピン
  • ビタミンC など

強い抗酸化作用を含むアントシアニンやクロロゲン、消化を助けるヤラピン・食物繊維がさつまいもの皮には豊富です。うさぎの健康を総合的にサポートしてくれるため、ぜひ食べさせたい食品だといえるでしょう。

 

③さつまいものつる|食べられる!

さつまいものつるもうさぎに毒性はなく、食べても問題ない部分です。食物繊維が多い部位なので、与えれば盲腸のはたらきを改善できるでしょう。

生の芋づるは、さつまいもの収穫期にならないとなかなか店頭に並ばない傾向にあります。うさぎに芋づるを与える際には、ペット用の乾燥芋づるを利用するのがおすすめです。

アクや癖が少なく食べやすい部位なので、うさぎは好んで芋づるを食べます。乾燥させたつるは硬いため、おやつを食べながらデンタルケアを行うのも可能です。

 

うさぎに与えられるさつまいものおすすめ部位は皮!理由を4つ紹介

うさぎに与えたいさつまいものおすすめ部位は皮です。ここでは、皮がなぜうさぎのおやつとしておすすめなのかを、4つの理由を挙げて分かりやすく説明します。

 

①抗酸化作用が強いクロロゲン酸を多く含む

さつまいもの皮には、抗酸化作用の強いクロロゲン酸という物質が多く含まれます。これはポリフェノールの一種であり、コーヒーなどにもたくさん含まれている物質です。

クロロゲン酸を摂取すると、以下のような健康効果を得られます。

  • 抗酸化作用で疲労や病気を予防する
  • 脂肪の蓄積を抑える
  • 糖新生を抑え糖尿病を予防する
  • 脂肪肝を予防する など

クロロゲン酸は抗酸化作用のほかに、肥満・糖尿病を予防する効果もあります。よって、健康的な体を保ちたいうさぎはもちろん、太り気味で病気が心配なうさぎに与えるのもおすすめだといえるでしょう。

 

②食物繊維・ヤラピンで消化管の健康維持を助ける

さつまいもの皮には、豊富な食物繊維が含まれます。完全草食動物のうさぎにとって、食物繊維は腸の腸内細菌の栄養源となる欠かせない栄養素です。

食物繊維はうさぎの体の中で、以下のような役割を果たします。

  1. 盲腸内phを低く保ち悪い菌の増殖を防ぐ
  2. 腸のぜん動運動を促し消化管の通過速度を早める
  3. 毛球症を防ぐ
  4. 歯を摩耗し不正咬合を防ぐ

さつまいもの皮には食物繊維に加え、ヤラピンという物質も含まれます。ヤラピンは消化機能の促進や、便の排出を助ける消化に嬉しい栄養素です。

ヤラピンは与え過ぎると下痢をする可能性があるので、少量が望ましいです。さつまいもの皮を与える前には少しの間水につけ、ヤラピンを減らしてから食べさせるのがベストだといえるでしょう。

 

③アントシアニンが豊富で目の健康に良い

ブルーベリーに多く含まれるアントシアニンは、さつまいもの皮にもたくさん含まれている栄養素です。アントシアニンをうさぎが摂取すると、以下のような効果が得られます。

  • 網膜・視神経・毛球体の血流を促進する
  • 目の疲れを防ぐ
  • 視力の回復を促す
  • 老眼を予防する
  • 白内障や緑内障を予防する
  • ピント調整機能を整える

生来目のあまり良くないうさぎにとって、アントシアニンはおすすめの栄養素です。目の健康をしっかり保ち、将来の眼病を予防できるさつまいもの皮をうさぎに与えてはいかがでしょうか。

 

④葉・茎よりも比較的入手が簡単

生のさつまいもの葉・つるは入手が難しく、八百屋などでもあまり購入できません。季節によっては芋づるが店頭で販売されることもありますが、葉の付いた芋づるを入手できるのは非常に稀です。

自宅に畑がない限り、葉付きのさつまいもを手に入れるのは不可能だといえます。しかし、さつまいもの皮は身に付いた副産物であり、入手も容易です。家庭で食べたさつまいもの皮をうさぎに与えれば、簡単にさつまいもをうさぎに与えられます。

 

うさぎは他のイモ類を食べられるかを徹底解説

さつまいも以外にもイモ類はたくさんありますが、その中にうさぎが食べられるものはあるのでしょうか。ここでは、うさぎが他のイモ類を食べられるのか徹底解説します。

 

①じゃがいも|実も葉もNG!

じゃがいもはうさぎにとって、非常に危険な食材の一つです。実はもちろん葉や茎、芽にも有害物質が含まれています。

じゃがいもがうさぎにもたらす悪影響を部位ごとにまとめた表は、以下の通りです。

 

部位名

有害物質

うさぎにもたらす悪影響

じゃがいもの実

でんぷん

・消化酵素の異常

・消化管うっ滞

・消化機能の低下

・肥満の誘発

じゃがいもの葉・芽・皮

・ソラニン

・チャコニン

・嘔吐

・下痢

・腹痛

じゃがいもの皮などに含まれるソラニンは、人間でも頭痛や吐き気を催す強い毒性がある物質です。身体の小さなうさぎが食べると激しい消化器の異常をもたらすため、実の部分同様に与えないでください。

 

②里芋|実・葉っぱ共に与えるのはNG

里芋の実は他のイモ類と同じく、うさぎに適さない食材です。葉にも極めて強いアクが含まれており、食べることはできません。

里芋の葉の強いアクの正体は、刺激性のシュウ酸ナトリウムです。このナトリウムは針状の結晶で、葉を食べたうさぎは舌や喉を刺激しピリピリした痛みを感じます。

人間でさえ痛みを感じるほどの強い刺激があるシュウ酸ナトリウムを、うさぎが摂取すると危険なのは言うまでもありません。シュウ酸による尿路結石のリスクもあるため、うさぎには絶対に里芋の葉を与えないよう気をつけましょう。

 

うさぎにさつまいもの実はNG!皮や葉の部分を与えよう

うさぎがさつまいもを食べられるのかを、実・葉や茎・皮に分け検証した結果は以下の表の通りです。

 

食の可否

メリット

デメリット

実の部分

×

なし

・腸内細菌のバランスを破壊する

・カロリーが高く肥満の原因になる

葉の部分

・抗酸化作用の強い栄養素が豊富

・食物繊維が豊富

・葉を入手するのは極めて難しい

皮の部分

・抗酸化作用の強い栄養素が豊富

・食物繊維が豊富

・目の健康に良いアントシアニンを含む

・入手が簡単でコストもかからない

・給餌前に水にさらす処理が必要

つるの部分

・食物繊維が豊富

・乾燥品を与えればデンタルケアも可能

・生の芋づるは収穫期以外の入手が困難

うさぎはさつまいもの葉やつる、皮の部分なら食べられます。実よりもリスクが少ない上に、栄養価も高いためおやつとしてさつまいもの葉・つる・皮をうさぎに与えてみましょう。

 

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