気をつけて!うさぎにとってぶどうが有害な理由とは?

甘くてジューシーなぶどう。いくらでも食べたくなるほど甘みにはまりますよね。また、ポリフェノールを始め、栄養が豊富で疲労回復、美容効果、老化の予防、目の健康維持、生活習慣病の予防など人間にとってはメリットがたくさんあります。

 

うさぎもぶどうを美味しそうに食べている動画をよく見かけます。あまりの美味しさにうさぎにもついつい分け与えたくなります。ところが、うさぎにとってぶどうは有害です。人間と同じ感覚であげると大変なことに。なぜぶどうをうさぎにあげたら良くないのでしょうか。ぶどうがうさぎの体にどのような影響を与えるのかを、これからご説明します。

 

ぶどうの糖質は危険!病気になる可能性あり。

うさぎがぶどうを食べてはいけない1番の理由は病気です。場合によっては命に関わることもあります。ぶどうには糖質が多く含まれています。これがうさぎが病気になってしまう原因です。そもそもうさぎは本来は糖質をあまり必要としません。うさぎの必要な栄養は繊維質で、牧草やペレットから補っています。うさぎの消化器官は人間と違って、牧草などを消化するために常に動いています。しかしそこに大量の糖質が入ってくると、分解が追いつきません。糖質を取りすぎると腸内で大量のガスが発生し、重篤な病気を招く可能性があります。

 

ぶどうの糖質 100gあたりの量は?

問題となるぶどう100gあたりの糖質の量を調べてみると、皮ありは17g、皮なしは14.4gです。多少の違いはあれど、ぶどうの糖質は高いことがわかります。そのため、体の小さいうさぎにとってぶどうの糖質は負担が大きいです。

 

100gあたりのぶどうの糖質

・皮あり:17g

・皮なし:14.4g

 

ぶどうは危険がいっぱい!うさぎが食べるとどうなる?

うさぎがぶどうを食べることで引き起こされる病気は、放置すると最悪死に至るケースがあります。主な事例としては、ぶどうは消化器官や泌尿器官に有害です。

 

ぶどうの食べ過ぎが引き起こすもの

・急性腎不全

・尿路結石症

・うっ滞や誇張症

・貧血

・虫歯になりやすい

 

急性腎不全

急性腎不全とは、短時間で腎機能が低下してしまうことです。結石による尿管の閉塞や細菌感染によって引き起こされます。腎臓は老廃物を尿として排泄する働きがあります。しかし急性腎不全になると、老廃物が体外に排出されずに蓄積してしまいます。急性腎不全は尿素窒素やクレアチニンの数値が高くなっていることで判明することが多いです。血尿、食欲不振、脱水、ぐったりして動かないなどの症状が出てきます。進行が早いので、早急に治療が必要です。関連性と原因はわかっていませんが、うさぎがぶどうを食べ過ぎて急性腎不全になってしまったケースがあります。うさぎにとってぶどうの糖質は毒物であることは確かです。

 

尿路結石症

尿路結石症は、尿路に結石ができる病気です。結石が詰まると尿が出にくくなります。そのため、頻尿、血尿、発熱、食欲不振などの症状が見られます。排泄の時に痛がったり、丸まって歯ぎしりしている様子が見られたら、尿路結石症の可能性があります。尿が排出できなくなると、老廃物が溜まり尿毒症に至ります。放置すると最悪命に関わるほど危険です。結石の大きさによって手術の必要性も出てきます。尿路結石症は尿中のカルシウムが結晶化することで起こります。結石にはシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムが多く見られます。特にカルシウムの多い食事を摂りすぎることで引き起こしやすいと言われています。ぶどうもシュウ酸カルシウムが含まれていて、大量に食べると尿路結石症になりやすいです。特にレーズンはカルシウムを多く含んでるので、うさぎには極めて危険です。

 

うっ滞や鼓脹症

うっ滞は胃腸の動きが止まる状態のことを言います。以前は、うさぎがグルーミングで飲み込んだ毛が固まって胃腸に詰まってしまう「毛球症」が直接の原因と言われてきましたが、今は診断が見直されつつあり、別の要因によって胃腸の働きが低下し、飲み込んだ毛の固まりができてしまうと言われています。考えられる原因は痛みやストレス、脱水、泌尿器疾患などの別の病気、食事管理の問題です。それによって腸内のバランスが崩れて、ガスが溜まり鼓張症につながります。拡張した胃が他の内臓を圧迫することで、痛みを伴い歯ぎしりしながら苦しんでいる様子が見られることがあります。また、便が小さい、尿量が少ない、食欲がないことも鼓脹症によるものです。肋骨の下あたりが膨らんでいたら、鼓脹症の疑いが考えられます。ぶどうの糖質の過剰摂取も腸内で異常発酵を起こし、ガスが充満することでうっ滞や鼓脹症を引き起こします。さらに急性胃拡張が進行すると、かなり危険な状態です。胃が膨らむことで心臓を圧迫して、低血圧と低体温を引き起こします。胃にガスが溜まっているので、口や鼻からチューブを通して吸引処置を行わなければなりません。場合によっては、外科手術で閉塞を起こしている箇所から異物を摘出することもあります。急性胃拡張の段階まで行くと、数時間及び数日で命を落としてしまう可能性があります。排便や排尿の状態、食欲低下など明らかにおかしい様子が見られたら、一度動物病院を受診してください。

 

貧血

ぶどうを食べさせたことで貧血が起こった事例が報告されています。うさぎの貧血は病気によるものもありますが、先ほど説明した急性腎不全の症状として出ることがあります。

 

虫歯になりやすい

ぶどうの糖質は粘り気があり、うさぎの歯にこびりつきやすいです。糖質は虫歯菌を増殖させるので、放置すると痛みで食欲がなくなり食事を摂らなくなってしまいます。本来うさぎは虫歯になりにくい動物です。牧草を主食としているので、糖質をあまり摂っていないからです。うさぎの歯は伸び続けています。そこで、牧草はペレットを噛むことで歯が擦り切れていくので、虫歯にならないと言われています。そのためにうさぎは歯磨きも必要ありません。これは牧草やペレット以外の余分な食べ物を与えてない話に限ります。虫歯は歯と歯茎の間にできることが多いので、非常にやっかいです。ぶとうの糖質による虫歯は、うさぎの歯が伸びたとしても良くならないことが多いです。うさぎの虫歯は発見しにくく、抜歯せざるを得なくなります。うさぎはストレスに弱いので、歯磨きをすれば良いというわけではありません。ぶどうの糖質は虫歯の原因になるので与えるのはやめましょう。

 

うさぎはぶどう一粒なら食べても大丈夫?

うさぎのぶどうの過剰摂取は様々な病気を招きますが、一粒だと問題ないかと言えば答えはNoです。ほかの果物の場合は1〜2週間に1回の頻度だったり、わずかな量でも大丈夫ですが、ぶどうはうさぎにとって有害であることには変わりありません。1粒の糖質を計算すると0.2gです。100gあたりの糖質と比べればはるかに少なめですが、蓄積されていけば腎臓に負担がかかってしまいます。日にちを開けて少量に控えていたとしても、急性腎不全とまでいかなくても慢性腎不全になってしまう可能性が高いです。やはりうさぎにとってぶどうは毒物でしかないので、一粒でも与えない方が無難でしょう。また、皮だけだとしても食べさせるのはやめた方がいいです。

 

うさぎにぶどうの枝は良いか? 

さて、ぶどうの枝はどうでしょうか?通販でかじり木として販売されているのを見かけます。ウサギのみならず、モルモット、ハムスター、チンチラ、デグーなどの齧歯類のおもちゃとして使用されています。また、歯の伸び過ぎ防止やストレス発散に一役買っています。本体のぶどうと切り離してるので、うさぎが使っても問題ないと言えるでしょう。また、無添加なので安心です。

 

まとめ

うさぎは草食動物で牧草で生きてきたので、本来は糖質はあまり摂取しません。そもそも自然界でもうさぎは草を食べるイメージが強いですね。それを考えたら糖質はもってのほかです。消化器官の働きをはじめ、うさぎの体の構造が違うということは、食べるものや量も人間とかなり違ってくるのは当たり前です。ところが、人間の管理下に置かれている今、嗜好性の高い果物を口にすることが増えてきました。そのうちの一つがぶどうですね。ほかの果物でも味をしめてしまって牧草やペレットを食べなくなったケースはよく聞きます。もし、うさぎがぶどうしか食べなくなってしまったら、かなり問題です。

ぶどうの糖質はうさぎにはデメリットが多く、過剰摂取は健康に支障をきたします。その証拠に下記の量は糖質の高さを物語っています。人間には大したことがなくても、体の小さいうさぎにはかなりの量を摂取することになるんですね。また、一粒程度の量でも有害であることは否めません。たとえ少量でも食べ続けていれば、やはり病気になる可能性はあります。結論としては食べさせない方が賢明です。

 

100gあたりのぶどうの糖質

・皮あり:17g

・皮なし:14.4g

 

そしてぶどうを食べすぎると、一番怖いのが病気です。それも命に関わるケースが多いのもぶどうの厄介なところです。うさぎの消化器官や泌尿器官にかなりの悪影響を及ぼすことがわかってきました。また、ぶどうの糖質は虫歯の原因にもなります。うさぎの歯のケアのためにも虫歯は避けたいところです。

 

ぶどうの食べ過ぎが引き起こすもの

・急性腎不全

・尿路結石症

・うっ滞や誇張症

・貧血

・虫歯になりやすい

 

上記だけでもぶどうはうさぎの健康にあまり良くないことがわかります。これだけ危険性が高いことを考えるとゾッとしますね。うさぎの体はそれだけ繊細であることを念頭に置いて、食事管理をしっかりと行っていきたいところです。

今はうさぎのおやつとして果物がたくさんあふれています。その中でも食べて良いもの、食べさせはいけないものがあります。食べても良いものだけを厳選しましょう。また、牧草やペレットを摂ることを第一に考えて、うさぎの健康を守ってくださいね。

 

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