フェレットは臭い?ニオイの抑え方や対策を徹底解説

フェレットには臭いの元である臭腺があり、驚かせたり興奮させたりすると強い臭いのある分泌物を放ちます。しかし、ペットとして販売されているフェレットの多くは臭腺を除去されているため、臭いは少ない傾向にあります。

とはいえ、フェレットの皮脂や排泄物から発生する臭いは、他の動物と比較して獣臭が強い傾向にあります。飼育の際にはケージの掃除やフェレット自身のシャンプーを欠かさないようにし、臭いをしっかり抑えるよう心がけてください。




フェレットの臭いの原因は臭腺という器官にある!

フェレットが臭いといわれる原因は、臭腺という分泌器官にあります。ここでは、ペットショップで販売されているフェレットの臭腺について徹底解説します。

 

臭腺とはどんな器官?

フェレットの臭いは臭腺と呼ばれる器官から発せられます。臭腺は肛門の付近にある小さな袋状の器官で、強烈な臭いのある液体状の分泌物を作っています。

イタチの仲間は、「イタチの最後っ屁」ということわざがあるほど、この臭腺が発達しています。身の危険を感じると、フェレットは臭腺の中にある分泌物を出して敵を威嚇するのです。

臭腺から放たれた分泌物は、ニンニク・硫化水素・焼けたゴムなどを混ぜたような激臭を放ちます。肉食獣も逃げ出すほどのその臭いは、皮膚や衣類に付着するとしばらく取れないほどです。

臭腺から臭いを放つシチュエーションは、フェレット自身に危険が迫った時だけではありません。飼育下において遊びで興奮した時にも臭いを発するため、臭腺を除去せずにフェレットを飼うのは極めて難しいといえるでしょう。

 

スーパーフェレットは臭腺除去済み

ペットショップで販売されているフェレットのほとんどは、臭腺を除去された子達です。

日本へやってくる前に、フェレットは臭腺の除去手術を受けた「スーパーフェレット」となっています。そのため、興奮しても一切臭い匂いを出すことはなく、安心して終生飼育ができるのです。

もし手術が失敗していて匂いを出してしまう場合は、再手術を受けることになります。しかし、証明書に手術失敗時の補償が付いているフェレットは非常に多いです。手術補償を受ければ飼い主さんは費用を一切負担せず、フェレットの臭腺をもう一度取り除くことができます。

 

DRFフェレットは臭腺がある

日本で唯一の、避妊・去勢をしていないノーマルフェレット「DRFフェレット」には、臭腺がそのまま残されています。去勢・避妊を行う際に臭腺は除去できますが、それまでの間は分泌物の臭いを覚悟して飼育する必要があるのです。

興奮したり危険を感じたりすると、フェレットは臭腺の分泌物を出します。飼育下では以下のようなシチュエーションで、臭腺内の液体を分泌することが多いです。

  • フェレット同士でバトルしている時
  • おもちゃで遊び、興奮した時
  • トイレをしている時
  • 寝ている最中にお尻がゆるんだ時

危険を感じ怯えた時だけでなく、遊びで興奮した際にも分泌液を出すため、時に部屋中が分泌物の臭いで満たされてしまう時もあるでしょう。

お尻からは常に臭いがするため、臭腺液を定期的に絞る必要も出てきます。分泌液の臭いが布に付くと全く取れなくなることも多いです。ノーマルフェレットを飼う際には、独特の激臭に耐えられるかを必ず確認し、飼育に臨みましょう。

 

臭腺を除去してもわずかに臭いが残る

臭腺をしっかり除去したとしても、フェレットそのものや部屋の中は少し臭うことがあります。臭いの原因はフェレット自身から出る皮脂や、糞尿などさまざまです。

フェレットの皮脂の臭いはやや甘く香ばしい香りで、個体によって臭いの強さには差があります。非常に強い臭いを放つ子もいれば、全く臭いがしないほぼ無臭の子もいます。

糞尿の臭いは、フェレット自身の体調や食べているものに起因します。糞の臭いがあまりにも強い場合には、フェレット自身の体調が悪いケースも考えねばなりません。

また、臭腺を除去したにも関わらず強烈な臭いを放っている場合には、臭腺の除去手術ミスも考えられます。フェレットの臭いの変化には常に気を配り、体調の変化に気づけるようになりましょう。

 

フェレットの臭いは対策できる!具体的な対策法2つを紹介

フェレットの臭い対策は、主に2つに分けられます。

  1. トイレやケージを徹底的に掃除する
  2. フェレットをシャンプーする

以下では、各対策を徹底解説します。

 

臭い対策①トイレやケージを徹底的に掃除する

フェレットの臭い対策の基本は、徹底したケージの掃除です。ケージ内を綺麗に掃除すれば、糞尿の臭いや劣化した皮脂臭を徹底除去できます。ここでは、フェレットの臭い対策に有効的な掃除の仕方を徹底解説します。

 

トイレの掃除は毎日2回行おう

フェレットの排泄物からは、独特の強い獣臭がします。その匂いは消臭スプレーなどではなかなかごまかせないほど強烈で、掃除をサボるとたちまち部屋中が臭いで包まれてしまう程です。

フェレットは一日に何度も排泄をするため、トイレの掃除は朝・夕の1日2回行うのが望ましいといえます。トイレ掃除は以下の手順で行いましょう。

  1. 排泄物を周囲のトイレ砂ごと取り除く
  2. 取った排泄物は密閉できるビニール袋に入れておく
  3. 取った分のトイレ砂を継ぎ足す

ビニール袋に入れた排泄物を放置すると臭いや虫の発生要因になるため、トイレ掃除後には速やかに処分してください。

トイレ容器そのものの洗浄も1週間に1回程度行うと、さらに臭いが発生しにくくなります。

 

ハンモックは週に1回取り換えよう

ハンモックについたフェレットの皮脂は、古くなると悪臭を放つようになります。ハンモックなどについた悪臭は、フェレットそのものに移ってしまいがちです。かわいいフェレットを臭くしてしまわないためにも、ハンモックなどの寝具は頻繁に取り替えましょう。

ハンモックの取り換え頻度は、1週間に1回程度にするのがベストです。夏のように臭いが強く感じられる季節には、取り換え頻度を増やしてください。

しかし頻繁にハンモックを取り替えすぎるのも、フェレットにとってはよくありません。フェレットは自分のニオイを寝具から感じられないと、ストレスを感じてしまいます。

彼らの私物からは適度にニオイが感じられるよう、寝具の取り換え頻度を調整してあげましょう。

 

ケージの大掃除は1週間に1回行おう

フェレットケージの定期的な拭き掃除は、極力毎日行いましょう。毎日の掃除は100円ショップで売っているミニほうきなどで床のゴミを取り除き、ウェットシートで床を拭く程度で問題ありません。

臭いをしっかり防止するためには、週に1回程度の大掃除が効果的です。ケージやトイレ容器を水と洗剤で丸洗いし、しっかり乾燥させて臭いを洗い流しましょう。

 

空気清浄機や消臭スプレーは根本的な解決にはならない

フェレットの臭いを消臭スプレーでごまかそうとする方がいますが、それは根本的な臭い対策にはなりません。消臭スプレーはあくまで臭いを匂いで上書きする、一時しのぎでしかないからです。

空気清浄機も同様に、匂いの根本的解決のために購入すべきではありません。臭いの原因を取り除かない限り、臭いは発生し続けます。糞尿や皮脂の臭いは時間と共に強まるため、消臭をしたはずがさらに臭いが強まってしまいかねません。

空気清浄機や消臭スプレーは、掃除をしっかり行ってこそ効果を発揮します。消臭グッズでフェレットの臭いをごまかそうとせず、掃除後の補助的なものとして使用するようにしましょう。

 

臭い対策②フェレットをシャンプーする

フェレットそのものをシャンプーし、皮脂の臭いを取り除いても消臭効果を期待できます。ここでは、消臭に役立つフェレットの適切なお手入れ方法を紹介します。

 

フェレットのシャンプーは月に1回行う

フェレットのシャンプーは、自宅で簡単に行えます。浴槽になる容器フェレット専用シャンプーを用意し、以下の手順でフェレットのシャンプーを行ってみましょう。

  1. フェレットのトイレを事前に済ませておく
  2. 浴槽容器に37℃程度の少しぬるいお湯を入れる
  3. フェレットを尻尾からゆっくりと湯船につからせる
  4. 一度フェレットをぬるま湯でしっかりもみ洗いする
  5. お湯での借り洗いが終わったら、フェレットをシャンプーする
  6. 洗い終わったらシャンプーをしっかりすすぐ
  7. タオルでの仮乾燥後、ドライヤーで丁寧に毛皮を乾かす

しっかり毛皮の汚れを落とすには、仮洗いをきちんと行いましょう。シャンプー前にぬるま湯で汚れを丁寧に落とせば、シャンプーの洗浄効果をしっかり発揮できます。

 

軽い汚れはブラッシングや濡れタオルで対処を

シャンプーの頻度を多くしすぎると、フェレットが皮脂を出してさらに臭いを強めてしまいます。シャンプーの回数は多くしすぎず、月1回程度にとどめておきましょう。

フェレットの軽い汚れの対処には、獣毛ブラシか濡れタオルを使うのがおすすめです。皮脂汚れには獣毛ブラシを、その他の汚れには濡れタオルを使い対処するとよいでしょう。

毛皮についた汚れを軽く取り除けば、シャンプーをせずともフェレットの臭いは少なくなります。強い汚れ・軽い汚れ、それぞれに合った手入れを使い分け、フェレットの臭いをしっかり予防しましょう。

 

フェレットの臭いは掃除とシャンプーで対策を!

  • フェレットには臭腺という臭いを放つ分泌物を作る器官がある
  • 販売されているフェレットの多くは臭腺が除去された「スーパーフェレット」
  • DRFフェレットは臭腺を除去していない「ノーマルフェレット」のため飼育が難しい
  • 臭腺がないフェレットにも皮脂や排泄物の臭いはある
  • 掃除やフェレット自身の手入れをすれば臭いは軽減可能

フェレットは臭いの強い動物ですが、適切な掃除や手入れで悪臭を抑えることは可能です。飼い主さんはしっかり掃除やシャンプーを行い、フェレットも人間も快適に過ごせるよう努力してあげましょう。

 

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