ハムスターにパセリはOK！栄養素・効果を徹底解説

2022年5月18日 2022年5月15日

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揚げ物の付け合わせによく使われるパセリは、意外にも栄養満点な野菜です。パセリをハムスターに与えると、コレステロールの上昇を抑えたり、抗酸化作用で疲労回復効果を得られたりします。

ハムスターにパセリを与えると得られる健康効果は非常に多いですが、与えすぎは尿路結石やがんのリスクを招きます。与える量はごく少量にとどめ、有害物質をハムスターに摂らせすぎないよう注意しましょう。

ハムスターにパセリを与えると得られる効果7つを紹介

ハムスターにパセリを与えると、どんな効果を得られるのでしょうか。ここでは、パセリがハムスターにもたらす健康効果を7つ徹底解説します。

①コレステロールの上昇を抑える

パセリの葉にはコレステロールの上昇を抑える成分「クロロフィル」が多く含まれます。パセリの青々とした葉の色は、葉緑素そのものであるクロロフィルに起因します。

悪玉コレステロールの上昇を抑え、善玉コレステロールを増やす性質がクロロフィルにはあります。パセリを食べれば、ハムスターのコレステロールのバランスを整え、血をサラサラにできるのです。

②貧血を予防し運動能力を高める

パセリには赤血球の材料となる鉄が多く含まれます。鉄には以下のような効果があります。

貧血を防ぐ
疲労を防止する
動くためのエネルギーを産出する
持久力・筋力を維持する　など

パセリには鉄だけでなく、代謝に関わるビタミンB群も多く含まれます。代謝を上げれば消費カロリーも増えるため、ダイエットをしたいハムスターにはパセリをぜひ与えましょう。

③胃液の分泌を助け消化を促す

パセリに含まれるピネン・アピオールは胃液の分泌を促し、消化能力を向上させます。胃・腸の両方をパセリはケアできるため、消化器の調子の悪いハムスターにぜひ食べさせたい食材です。

ピネンには、腸での有害菌の繁殖を抑える効果もあります。腸内細菌のバランスが良くなれば、ハムスターは効率良く腸で栄養を吸収できることでしょう。

④老化やガン・病気を予防し免疫を高める

抗酸化作用のある野菜をハムスターが摂取すると、老化の防止やガンの予防ができます。

パセリはハムスターの身体から活性酵素を除去する、βカロテン・ビタミンCが特に豊富な野菜です。疲労を防止して身体の免疫を高められるため、すべてのライフステージのハムスターにおすすめです。

パセリには細胞の再生・生成を助ける葉酸や、免疫を維持するビタミンB6も豊富です。抗酸化作用の恩恵を得ながら新たな細胞を作りやすくできるため、丈夫な体を作ることもできるでしょう。

⑤体内の塩分量を正常に保つ

パセリに含まれるカリウムは、体内の浸透圧を調整する効果があります。塩分過多になったハムスターの体内にカリウムが不足していると、血圧が高くなり血管に負担がかかる原因となります。

カリウムには腎臓でのナトリウム吸収を抑え、塩分を身体の外に出してくれる働きがあります。塩分過多を防げるため、腎機能の低下や血圧の上昇も避けられることでしょう。

下痢や嘔吐の後に、カリウムの血中濃度は大きく低下します。病後のハムスターにはパセリを食べさせ、カリウムの不足を補い体調を安定させましょう。

⑥代謝をアップさせ肥満を予防する

パセリには代謝に関わるビタミンB類が多く含まれます。

ビタミンB1：炭水化物の代謝を向上させる
ビタミンB2：脂質の代謝を向上させる
ビタミンB6：アミノ酸の代謝を向上させる

肥満気味のハムスターには、代謝を上げる効果があるパセリをあげてみましょう。ひまわりの種などの種子類に多い脂肪類や無駄に摂り過ぎた糖類、アミノ酸を身体から効果的に燃焼できます。

⑦胎児の健康な発育をサポートする

葉酸はDNAや細胞の生成を助ける栄養素で、ハムスターのお腹にいる胎児の発育を補助できる栄養素です。妊娠中のハムスターには、葉酸がたくさん含まれているパセリを食べさせましょう。

母ハムスターに葉酸が不足すると、赤ちゃんに奇形や障害が起こりやすくなります。胎児の健康を守るためにも、妊娠初期のうちから母ハムスターにこの野菜を与えておくと安心です。

パセリには赤血球の材料となる鉄や、ヘモグロビンを合成するビタミンB6も豊富です。胎児のために必要な血液を生成しやすくなるため、ハムスターの妊娠期の健康サポートにパセリはうってつけだといえます。

パセリはとても栄養豊富！含まれる主な栄養素を紹介

パセリは非常に栄養豊富な野菜です。ここでは、パセリに含まれる栄養素を表にまとめ、分かりやすく紹介します。

栄養素名	100g当たりの含有量	効果
βカロテン当量	7,400μg	・抗酸化作用で老化やガンを予防する・粘膜や骨、皮膚などを健康に保つ
ビタミンC	120mg	・活性酵素を除去し身体の老化を防ぐ・怪我・病気からの回復を早める・免疫機能を高める
ビタミンB1	0.12mg	・炭水化物の代謝を促進する
ビタミンB2	0.24mg	・脂質の代謝を促進する
ビタミンB6	0.27mg	・多くのアミノ酸の代謝を助ける・免疫機能の維持・皮膚の抵抗力を高める・ヘモグロビンを合成する・神経の伝達物質を合成する
食物繊維	6.8g	・腸内の健康を保つ・歯を摩耗し不正咬合を防ぐ
鉄	7.5mg	・赤血球の元になる・貧血を予防する
カルシウム	290mg	・骨や歯を健康的に保つ
亜鉛	1.0mg	・アミノ酸からたんぱく質を再合成する・胎児や乳児の発育を促進する・DNAを合成する
カリウム	1,000mg	・体液の濃度調整を行う
葉酸	220μg	・貧血を予防する・細胞の再生や生産を助ける

参照：文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」｜パセリ

ハムスターにパセリを与える際の注意点3つを紹介

ハムスターにパセリを与える頻度や量が、気になる飼い主さんもきっと多いことでしょう。ここでは、パセリのハムスターへの適切な給餌法や注意点を紹介します。

①残留農薬に注意！必ず水に浸してから与える

市販のパセリには、農薬や泥、虫などが付着しています。パセリをハムスターに与える前には以下の手順で水洗いをし、これらの有害物質を綺麗に洗い流しましょう。

傷んだ葉や枯葉を事前にカットしておく
水に浸し、残留農薬を除去する
水からパセリを引き上げ、流水で綺麗に洗い流す
余分な水分をキッチンペーパーでふき取る
充分にパセリが乾いたら、7少しずつハムスターに与える

水気を切らずハムスターに野菜を与えると、下痢の原因になります。水洗いをした後には、必ずキッチンペーパーなどで葉っぱの水気を吸い取りましょう。

②シュウ酸やカルシウムが多いため尿路結石に注意！

パセリはシュウ酸やカルシウムが多く、尿路結石のリスクも高いです。ハムスターが尿路結石にかかった場合、以下のような症状が現れます。

血尿
オレンジ色の尿
体重の減少
お腹を触ると痛がる
貧血
オシッコが出なくなる
失禁する　など

初期の尿路結石は、投薬や食生活の改善で治療できます。しかし、重度の尿路結石で尿道が閉塞した場合には、開腹を行う手術が必要です。

小さな身体のハムスターにとって、開腹手術は非常に大きな負担となります。尿路疾患の罹患歴があるハムスターは尿路結石のリスクが高いため、パセリを与えないようにしましょう。

パセリを食べたハムスターの様子がおかしいと思ったら、早めに動物病院を受診しましょう。

③硝酸塩が含まれるため与える量は最小限にとどめよう

パセリには大量に摂取するとガンを誘発する恐れがある、硝酸塩が含まれます。与えすぎはハムスターの健康を害する可能性があるため、パセリの給餌量は最小限にとどめましょう。

おすすめの給餌量は、ハムスターが両手で抱えて持てる程度です。ハムスターの体型により理想給餌量は異なるため、様子を見ながらパセリを与える量を調整しましょう。

パセリは少量でも栄養をしっかり摂取できる野菜です。栄養過多を防ぐためにも、与える頻度は毎日ではなく週1回程度に抑えてください。

ご飯にかける市販のふりかけ「パセリチップ」もおすすめ

普段ご飯を食べてくれないハムスターには、ふりかけ状にした乾燥パセリ「パセリチップ」を与えるのもおすすめです。パセリの香りで食欲を亢進できるため、普段のフードが食べられない体調不良時にパセリチップは大活躍します。

乾燥パセリは消費期限が長く保存に困らないため、冷蔵庫でパセリを保存できない方でも安心して使えるのもメリットだといえるでしょう。

なお、人間用の乾燥パセリには保存料などの添加物が入っている恐れがあり危険です。ハムスターには添加物が入っていない、ペット用のパセリチップを与えるようにしましょう。

栄養満点のパセリをハムスターに与えてみよう

パセリに含まれる栄養素と、ハムスターに与える健康効果は以下の通りです。

栄養素名	効果
βカロテン当量	・抗酸化作用で老化やガンを予防する・粘膜や骨、皮膚などを健康に保つ
ビタミンC	・活性酵素を除去し身体の老化を防ぐ・怪我・病気からの回復を早める・免疫機能を高める
ビタミンB1	・炭水化物の代謝を促進する
ビタミンB2	・脂質の代謝を促進する
ビタミンB6	・多くのアミノ酸の代謝を助ける・免疫機能の維持・皮膚の抵抗力を高める・ヘモグロビンを合成する・神経の伝達物質を合成する
食物繊維	・腸内の健康を保つ・歯を摩耗し不正咬合を防ぐ
鉄	・貧血を防ぐ・疲労を防止する・動くためのエネルギーを産出する・持久力・筋力を維持する
カルシウム	・筋肉の収縮やホルモン分泌を助ける・血液や脳などを健康的に保つ・細胞の分裂や分化を助ける・神経の興奮を抑え心を穏やかにする・怪我をしたときに血液を凝固させる力を強める
亜鉛	・アミノ酸からたんぱく質を再合成する・胎児や乳児の発育を促進する・DNAを合成する
カリウム	体液の濃度調整を行う
葉酸	・貧血を予防する・細胞の再生や生産を助ける