
手の平に乗っている姿が可愛らしいハリネズミは、最近SNS上で反響を呼んでいます。また、一人暮らしでも飼いやすいペットとしても人気沸騰中です。しかしハリネズミの飼育は意外にも難しいとされています。その理由とは?初心者がハリネズミを飼うときのポイントを押さえておきたいですね。この記事ではパリネズミの育て方、性格、特徴、必須アイテムなどを説明していきます。
もくじ
ハリネズミの種類や特徴
以下のハリネズミの特徴を知ることによって、それぞれの個体に合わせた育て方が見えてきます。
・実はモグラの仲間
・非常に神経質
・単独性
・雑食性
・暑さや寒さに弱い
・5000本の針
・寿命は2~5年
実はモグラの仲間
日本で飼われているハリネズミは「ヨツユビハリネズミ」という種類で、別名「ピグミーホッグ」と呼ばれています。他のハリネズミの後ろ足は5本指であるのに対して、この種類のハリネズミは文字通り4本指であるのが特徴です。名前からネズミの仲間だと勘違いしやすいですが、ハリネズミは実はモグラの仲間です。夜行性の動物のため夜は活動的で、日中は岩間の隙間や石の間の穴で暮らしています。モグラと同じく目はほとんど見えていません。
非常に神経質
ハリネズミは臆病で、ちょっとしたことでも警戒して背中を丸くして針を突き立てます。飼い始めの時はなかなか飼い主になつかないことが多いです。
単独性
ハリネズミは大人になれば、巣穴を作って単独生活を始めます。他のハリネズミに対して攻撃的になるため、ペットとして飼う場合も1つのケージに一匹だけ入れておくことが理想的です。
雑食性
野生のハリネズミは昆虫やミミズ、カタツムリ、カエル、木の実、果物を食べています。人間の飼育下では自然界の食べ物を探すのは困難ですが、ハリネズミ用フードに昆虫成分が含まれているものもありますので、満足に与えることが可能です。
暑さや寒さに弱い
ハリネズミは体温調節ができますが、保温機能が弱く暑さや寒さに弱いです。暑すぎると熱中症になり寒すぎると冬眠してしまい、最悪の場合死んでしまうことがあります。
5000本のトゲ
背中の針は5000本もあります。緊張している時は身を守るためにトゲを立てていますが、リラックス状態の時は寝かせています。最初は「痛いのでは?」と心配になりますが、トゲを寝かせている時は触ってもいたくありません。飼い主に慣れてきたら、試しに手に乗せてみましょう。トゲの正体は実は毛。毛が集まって固まったものなんです。
寿命は2~5年
野生下のハリネズミは2~3年です。それに対して、家庭で過ごしているハリネズミの寿命は2~5年と長くなっています。野生のハリネズミは明日の餌を心配するほど生きるのに必死ですが、人間の管理下では飼育環境が整っていれば長生きできる可能性があります。
ハリネズミの育て方のポイント〜ハリネズミのための必須アイテムは?
ハリネズミの特徴を知ったところで、次は飼う前に用意した方が良い必須アイテムをご紹介します。
・ケージ
・トイレと砂
・給水器
・えさ入れ
・床材
・小屋
・回し車
・ヒーター
ケージ
ハリネズミは単独性なので、1匹につき1ケージを用意しましょう。大きさは床面積60㎝×90㎝と高さ30㎝以上が理想的です。ケージは網タイプ、木製タイプ、水槽タイプがあります。それぞれ一長一短ありますが、ご自分のハリネズミに合うケージを選びましょう。
トイレと砂
ハリネズミはトイレトレーニングが難しいと言われていますが、同じ場所で排泄する習性があります。よく排泄する場所にトイレと砂を置きましょう。そうするとそこでしてくれるので、トイレを無理に教える必要はありません。
給水器
給水器は大量の水を入れることができるため、ハリネズミが飲みたい時に飲めるので便利です。また中は清潔を保てるので異物が入って汚れる心配はありません。
エサ入れ
エサ入れは小さめがおすすめです。大きいサイズのエサ入れだと、エサを食べるだけ食べてしまうからです。食べすぎは肥満や糖尿病の元なので、健康を守る意味でも少しずつ食べられる小さめのものにしましょう。
床材
床材として使用されているのはペットシーツ、トイレ砂、ウッドチップ、コーリンスター・クルミリターなどが定番です。猫用のトイレ砂もよく使われています。吸収性、消臭効果、掃除のしやすさを重点に置いて合った床材を選んでください。
小屋
ハリネズミは警戒心が強いので、隠れる場所が必要です。リラックスできるように、小屋を用意しましょう。
回し車
ハリネズミは運動量が多く、自然界では3~5㎞ほどエサを求めて移動しています。運動不足解消のために回し車を用意しましょう。ハリネズミは夜行性なので、夜間にカラカラと回し車を走っていることがあります。音が気になるという場合でも、最近はサイレントタイプの回し車もあります。
ヒーター
冬場はケージ内を暖かくしなければいけません。ハリネズミ用のヒーターにはケージ内に置くリバーシブルヒーターとケージの下に置くパネルヒーターがあります。ケージ内に置くタイプを使用する場合は、低温やけどをすることがあるのでタオルで巻きましょう。
ハリネズミの育て方で注意したい点
・適度な距離
・温度管理
・ケージの掃除
・食事
・お手入れ
・健康管理
・運動
適度な距離
警戒心が強いハリネズミは最初は飼い主に心を開いてくれません。スキンシップを頑張って試みても、最初はトゲを突き立てられるだけです。焦らないでゆっくりと距離を縮めていきましょう。ハリネズミは臭覚が優れているので、飼い主の匂いがついた布切れを入れたら覚えてくれます。慣れてきたら手に乗ってくれるかもしれません。また、聴覚も良いので飼い主の足音を聞き分けられます。
温度管理
ハリネズミにとっての適温は25~28度、湿度は40%です。20度を切るとハリネズミは冬眠に入ってしまいます。冬場はヒーターを入れてあげましょう。夏場は熱中症になったり、夏眠に入ってしまう恐れも。ヒーターやエアコンで温度調節しましょう。
ケージの掃除
ケージ内は必ず糞尿で汚れます。便や尿のついた床材を取り除き、新しい床材を足してください。床材を全部替えてしまうと、ハリネズミは自分の匂いがなくなってしまって不安になります。まだ汚れていない古い床材は残してあげましょう。また、運動中に回し車に便がついてしまうこともあります。便がこびりついて取れない場合は、ぬるま湯でふやかすと取れます。
食事
ハリネズミ用フードは昆虫類、鶏肉、魚などが含まれています。必要な栄養分が含まれているので、それで十分です。最近はネットで簡単に購入できます。ハリネズミがまだ子どもの場合は、ぬるま湯でふやかしてあげてください。大人になれば、ドライフードのままあげても大丈夫です。同時に固いフードを食べると、歯周病予防にもなります。逆に柔らかいフードばかりだと、歯に歯垢がたまってしまうので注意しましょう。
また、ハリネズミは昆虫類を好むので、ミルワームやコオロギがおすすめです。ただ、脂質が多いのでおやつ程度にしましょう。
ハリネズミ用フードが出回っていなかった頃は、キャットフードをあげていました。ハリネズミは偏食の傾向があるので、同じ物を食べると飽きて食べなくなってしまうことがあります。主食を食べない場合は、キャットフードを代用品にすると良いでしょう。他に果物や野菜も食べます。但し食べさせてはいけない物もあるので要注意です。
お手入れ
ハリネズミはダニ症が多く、糞尿などで体が汚れたままでいると発症しやすいです。2週間に1回は濡れタオルやウェットティッシュで拭いてあげましょう。
爪切りは3か月に1回はしましょう。伸びたままにしておくと、ケージや回し車に引っかかって怪我をすることがあるので要注意です。爪切りに自信がない方は、動物病院でしてもらえるので切ってもらいましょう。
健康管理
ハリネズミの病気で一番多いのが、皮膚疾患です。痒がったり、トゲが取れたりすることで飼い主が気付くことが多いです。そして特に皮膚疾患の中でトップにあがるのがダニ症。その犯人がヒゼンダニであることが確認されています。脱毛、脱針、食欲不振などが見られ、症状が進むと亡くなってしまうケースがあります。
他にも腫瘍、歯周病、肥満などハリネズミがかかりやすい病気があります。月に一度は動物病院で健康診断を受けましょう。
運動
野生のハリネズミは3~5Kmも動きますが、ペットのハリネズミはケージ内で動く範囲が限られています。ストレスや肥満対策に回し車を用意して運動させてあげましょう。部屋んぽをさせる場合は電気コードや植物、殺虫剤など危険なものがないか周りを確認しましょう。
ハリネズミを診察できる動物病院はあるの?
ハリネズミを診てもらえる動物病院は犬や猫と違って少ないです。どこに病院があるかわからない場合は、アニコムやヘッジホッグハウスから動物病院を検索できます。
まとめ
ハリネズミは見てるだけで癒されますが、意外と繊細な神経の持ち主です。飼育にもかなり気を使う点が多いですね。ちょっとしたことで健康を損なうことがあるのでかなり危ういです。しかし、ハリネズミの習性を理解すると、飼い方に慣れていきます。また、かかりやすい病気もあるので、普段から体のケアや掃除などしっかり行っていけば長生きしてくれるかもしれません。ハリネズミの育て方を熟知したうえで、大事な家族と幸せな人生を過ごしましょう。
ハリネズミの種類や特徴
・実はモグラの仲間
・非常に神経質
・単独性
・雑食性
・暑さや寒さに弱い
・5000本の針
・寿命は2~5年
ハリネズミのための必須アイテム
・ケージ
・トイレと砂
・給水器
・えさ入れ
・床材
・小屋
・回し車
育て方の注意点
・適度な距離
・温度管理
・ケージの掃除
・食事
・お手入れ
・健康管理
・運動