ハリネズミはバナナを食べられる動物です。バナナを与えればハリネズミフードで補いにくい、ビタミンや食物繊維を補えます。
ハリネズミは口が小さいため、そのままのバナナを食べられません。果肉部分のみを細かく刻んだりペースト状に加工して、ハリネズミが食べやすいようバナナを加工してあげましょう。
もくじ
ハリネズミにバナナを与えると得られる効果3つを紹介
ハリネズミがバナナを食べると、どのような健康効果が得られるのでしょうか。ここでは、ハリネズミに与えられるバナナの健康効果を3つ解説します。
腸内環境を改善する
バナナにはお通じを良くし腸内環境を整える、たくさんの食物繊維が含まれています。虫を好んで食べるハリネズミは、意外にも食物繊維の要求率が高い動物です。繊維が含まれるものを定期的に食べなければ、体調を崩すことも多くなります。
食物繊維を取るのに効果的な野菜は、口の小さなハリネズミの咀嚼に適さないこともあります。柔らかくて食べやすいバナナなら、ハリネズミが食べても喉に詰まる心配はありません。おいしく食物繊維を摂取できるバナナは、ハリネズミにとって優秀な健康食品だといえるでしょう。
老化を防止し若々しい身体を保つ
抗酸化作用のあるビタミンCは、ハリネズミの老化を防止するのに有効な栄養素です。昆虫食であるハリネズミの主食の多くはタンパク質に特化しており、ビタミンCの配合が少ないものも珍しくありません。
ビタミンA・ビタミンEを配合したフードは多いですが、ビタミンCの入っているフードは少ない傾向にあります。定期的にビタミンCを補うには、この栄養素が多く含まれていて、なおかつ食べやすいバナナを与えるとよいでしょう。
抗酸化作用の恩恵を得て若々しく健康なハリネズミを目指したい方は、ぜひバナナをあげてみてください。
ふらつき症候群を予防する
ハリネズミには、ふらつき症候群と呼ばれる病気があります。ふらつき症候群の明確な原因は分かっていませんが、一要因としてビタミンやカルシウムの不足が上げられているのです。ふらつき症候群になったハリネズミには、以下のような症状が現れます。
- 後ろ足がふらつく
- 筋肉が萎縮する
- 四肢が麻痺する
- 自力での排尿や排便が困難になる
- 最終的に死亡する など
ふらつき症候群の治療法は、現代では確立されていません。しかし、ビタミンやカルシウムをしっかり摂取させることで、発症の確率を下げることはできます。
バナナはビタミンやカルシウムが豊富に含まれる食品です。副食として与えれば、主食に不足している栄養素を補うことができるでしょう。
妊娠期の健康をサポートする
妊娠中のハリネズミには、普段よりもたくさんの栄養が必要です。特に必要になる栄養素が、赤血球をつくる鉄やタンパク質を合成する葉酸です。
妊娠期や授乳初期のハリネズミには必要な2つの栄養素を、同時に補えるのがバナナです。葉酸の多い果物には他にもマンゴーがありますが、コストが高く毎日与えるには適さない場合も多い傾向にあります。
リーズナブルに葉酸・鉄の補給ができるバナナは、妊娠期のハリネズミに常食させるのにぴったりの果物だといえるでしょう。ハリネズミの繁殖を検討する方は、ぜひバナナを食べさせることをおすすめします。
バナナに多く含まれる栄養素を表で分かりやすく紹介
ハリネズミが食べられるバナナには、どんな栄養素が多く含まれるのでしょうか。ここでは、バナナに含まれる主な栄養素を表で分かりやすく紹介します。
|
栄養素名 |
100g当たりの含有量 |
|
エネルギー |
93キロカロリー |
|
炭水化物 |
22.5g |
|
ビタミンC |
16mg |
|
食物繊維 |
1.1g |
|
鉄 |
0.3g |
|
カルシウム |
6mg |
|
ビタミンB1 |
0.05mg |
|
葉酸 |
26μg |
バナナに特に多い栄養素とその効能は、以下の通りです。飼い主さんはハリネズミにバナナを与える前に栄養素をチェックし、食事全体の栄養バランスを見直しましょう。
- 食物繊維：腸内環境を整える
- ビタミンC：抗酸化作用で老化を防止する
- カルシウム：丈夫な骨や歯の形成を助ける
- 鉄：赤血球をつくり酸素を全身に巡らせる
- 葉酸：タンパク質を合成し細胞の生産や再生を助ける
ハリネズミにバナナを与える際の注意点5つを紹介
ハリネズミにバナナを与える際には、いくつかの注意点も存在します。ここでは、バナナをハリネズミに食べさせる際の注意点を徹底解説します。
①皮や繊維を食べることはできない！必ず果肉部分のみを与えよう
ハリネズミが食べられるのは、バナナの果肉部分だけです。皮や果肉についている白い繊維は食べられないので、必ず取り除いてから与えましょう。
②バナナは細かく切るかペーストにして与えよう
野菜と違い、与える際にバナナを加熱する必要はありません。バナナの果肉は柔らかく、体の小さなハリネズミでも簡単に噛み砕きやすいからです。
しかし、ハリネズミの口は極端に小さく、大きな輪切りのバナナは食べられません。ネズミと名が付いていますが、ハリネズミはモグラに近い動物に分類されます。ハムスターやうさぎのようなげっ歯類と違い、ハリネズミはバナナにかじりつくことはできないのです。
そのため、ハリネズミにバナナを与える際には非常に細かく切り刻むか、ペースト状にする必要があるといえるでしょう。
ハリネズミへのバナナの与え方①細かく切り刻む
大人のハリネズミにバナナを与える際には、小さな角切りにするのがよいでしょう。大きな角切りにすると、ハリネズミはバナナを食べてくれないことがあります。口の小さなハリネズミに合わせ、角切りのサイズは大きくても1cm程度にするのが理想です。
初めてバナナを与える子には、ピンセットや手でバナナを直接与えましょう。餌箱にそのままバナナを入れると、食べ物だと認識せず放置される可能性があります。まずはバナナが食べ物であることをハリネズミに教え、興味を持たせると給餌は成功しやすくなります。
ハリネズミへのバナナの与え方②バナナペーストを作る
まだ幼いハリネズミやシニアには、バナナペーストを作ってあげましょう。バナナは柔らかく潰しやすいため、野菜と違い生のままペーストにしても構いません。フォークなどを使いしっかりと潰し、柔らかなペーストを作ってあげましょう。
咀嚼力の少ないハリネズミでも、ペーストなら簡単に食べられます。栄養補給を目的とする場合は、他の野菜や果物とバナナを混ぜ込むのもよいでしょう。ペーストにしたバナナは角切りより傷みやすいため、食べ残しは早めに片付けてください。
③食べすぎ注意！与える量は小さじ2分の1～1杯にとどめよう
甘い果物はハリネズミの嗜好性が高く、ハリネズミもよく食べてくれます。特にバナナは糖度が高いため、「もっとちょうだい！」とせがむハリネズミも珍しくありません。
しかし、バナナにはハリネズミが必要とするタンパク質は含まれていないため、主食にするのは不可能な食品です。給餌の際には主食ではなく、あくまでおやつとして与える食品であることを心に留めましょう。
ハリネズミの主食は、総合栄養食のドライフードです。嗜好性の高いバナナを与えすぎて、ドライフードを食べなくなる事態は避けなければなりません。一日に与えるバナナの量は、多くても小さじ2分の1～1杯にとどめましょう。
④バナナチップはハリネズミにはNG！口内に刺さり怪我をする恐れがある
コストがかかり調理も必要な生の果物の代わりに、ドライフルーツを与えることはハリネズミ飼育において推奨されがちです。フードやおやつの中にもドライフルーツを混ぜ込んだものはいくつもあり、利用したことのある飼い主さんも多いことでしょう。
しかし、ドライフルーツのバナナ（バナナチップ）をハリネズミに与えるのは避けるべきです。乾燥させたバナナは割れると鋭利になり、ハリネズミの口内を傷つけやすいため与えるのは危険だといえます。柔らかい食べ物を好むハリネズミにとって、硬いバナナチップは歯や口内を傷める食べ物なのです。
ハリネズミにバナナを与える際には、必ず生のものを選びましょう。生のバナナは柔らかく食べやすいため、口内や歯を傷める危険性は一切ありません。
⑤バナナが苦手なハリネズミもいる！食べないときは他のフルーツを与えよう
多くのハリネズミが好んで食べるミルワーム等と違い、バナナはやや偏食傾向が強い食品です。個体によってはバナナを一切好まず、与えても見向きもしないケースも珍しくありません。
バナナに興味を示さない個体には、他のフルーツを与えるのも検討しましょう。ハリネズミが食べられるフルーツには、以下のようなものがあります。
- リンゴ
- イチゴ
- スイカ
- ナシ
- メロン
- マンゴー
- ベリー系 など
なお、果物の中にはモモやビワ、梅などハリネズミに与えてはいけないものもあります。果物を与える前にはハリネズミにとって毒にならないかどうかを、必ず確認しましょう。
ハリネズミの体に良いバナナを与えてみよう
ハリネズミはバナナを食べられます。バナナに含まれる栄養素とその効果のまとめは、以下の表の通りです。
|
栄養素 |
効果 |
|
食物繊維 |
腸内環境を整えお通じをよくする |
|
ビタミンC |
抗酸化作用で老化を防止する |
|
カルシウム |
健康な歯や骨を作る |
|
鉄 |
赤血球を作り全身に酸素を行き届かせる |
|
葉酸 |
タンパク質を合成し細胞の生産や再生を助ける |
バナナは柔らかく食べやすいため、ハリネズミへの給餌も比較的楽な食品です。この記事を参考に、あなたもぜひハリネズミにバナナを与えてみてはいかがでしょうか。
