
ハムスターが大好きなひまわりの種は、実はカロリー・脂肪が多く食べすぎに注意が必要な食べ物です。嗜好性が高く欲しがるハムスターは多いですが、食べすぎは肥満や肝臓病を招きます。ひまわりの種中毒になる可能性もあるため、与える個数は最小限にとどめましょう。
もくじ
ハムスターはひまわりの種が大好き!その理由を解説
ハムスターの好物として有名なひまわりの種ですが、そもそもなぜ嗜好性が高いのでしょうか。ここでは、ハムスターがひまわりの種を好きな理由を紹介します。
ハムスターはグルメ!とても味覚が発達した動物
ハムスターには甘さや苦さをしっかり感じとる、優れた味覚細胞があります。味が分かるということは、おいしいものとまずいものの区別がつくということです。
よりおいしいものを求め、ハムスターは食べ物の選り好みをします。栄養価が高くても自分がまずいと感じたものは食べない、グルメな動物なのです。
高カロリー・高脂肪の食品をハムスターは好みやすい
ハムスターがおいしいと感じる食事は、高カロリー・高脂肪の食べ物です。わたしたち人間がステーキやジャンクフード、スイーツをおいしいと感じるように、ハムスターもカロリーが高く脂肪が多いものを好みます。
ナッツ類であるひまわりの種はこの条件を満たしているため、ハムスターは喜んで食べてくれるのです。
ひまわりの種に含まれる栄養素は?
ひまわりの種には、リノール酸などの脂肪酸が多く含まれます。適量のリノール酸は、毛並みを美しく保ち、悪玉コレステロールを減らすのに役立ちます。
ビオチンやビタミンEも、ひまわりの種に多く含まれる栄養素です。ビオチンは皮膚や粘膜、爪の健康を保ち、ビタミンEは抗酸化作用で身体の老化を防いでくれます。
いずれもハムスターの健康に良い栄養素なので、適量のひまわりの種を与え、積極的に摂取させましょう。
ハムスターに与えるひまわりの種はどれくらい?適量を紹介
ハムスターに与えるひまわりの種の、1日辺りの目安量を知りたいという方もきっといることでしょう。ここでは、ひまわりの種の適正な給餌量を、ハムスターの種類ごとに分け解説します。
ゴールデンハムスターなどの大型ハムスターなら1日1個
ゴールデンやキンクマなど、大型になるハムスターなら1日1個ひまわりの種を与えても構いません。1日1個、コミュニケーションも兼ねて手渡しで与えるのが良いでしょう。
飼っている子が欲しがるからといって、ひまわりの種をたくさん与えるのは健康上良くありません。与える際には必ず、1日1個の鉄則を守ってください。
ジャンガリアンハムスターなどのドワーフハムスターなら2日に1個
ジャンガリアンのようなドワーフハムスターには、毎日ひまわりの種を与えないのがベストです。肥満を防ぐためにも、ひまわりの種を与える頻度は2日に1回にとどめましょう。
大粒のひまわりの種を与えると、小型のハムスターは食べづらく感じてしまいます。与える際には小柄な子でも食べやすい、小粒タイプのものを選ぶのがおすすめです。
ロボロフスキーなどの超小型ハムスターには週1~2回1個ずつを与える
ジャンガリアンよりも小さなロボロフスキーなどには、週1~2回に1個程度の頻度でひまわりの種をあげましょう。
極めて小さな身体の超小型ハムスターにとって、ひまわりの種は非常に高カロリーな食品です。与えすぎると体調不良を起こす可能性もあるため、給餌は慎重に行いましょう。
ひまわりの種を食べすぎたハムスターがかかる可能性がある病気を紹介
ひまわりの種は高カロリー・高脂肪な食品であるため、ハムスターが食べすぎるとさまざまな病気を引き起こす可能性があります。ここでは、ひまわりの種を食べすぎたハムスターがかかる可能性がある病気を4つ紹介します。
肥満(太りすぎ)
高カロリー・高脂肪な食品ばかりを食べていると肥満になるのは、ハムスターも人間も同じです。ひまわりの種を与えすぎると、ハムスターはどんどん太っていきます。
飼育している子を上から見たときに丸々としていたら、肥満を疑うべきです。肥満傾向にあると感じたら、スケールなどで体重測定を行いましょう。
ハムスターの種類 |
体重の目安 |
超小型(ロボロフスキーなど) |
15g~30g |
小型 (ジャンガリアンハムスターなど) |
30g~40g |
大型 (ゴールデン・キンクマハムスターなど) |
80g~150g |
目安よりも飼っているハムスターの体重が重い場合には、肥満を疑うべきだといえます。肥満傾向だと分かったらひまわりの種などのおやつを控え、主食のみを与えてダイエットをさせてあげてください。
肥満は関節や骨にも負担をかける
肥満傾向のハムスターの関節や骨には、体重の重さから大きな負担がかかっています。肥満になったハムスターは自分の体重で骨折したり、ケージ内で起き上がれなくなったりすることもあるのです。
太りすぎが原因の怪我を防ぐためにも、ひまわりの種を与えすぎないように心がけましょう。
脂肪肝や肝硬変などの肝臓病
高カロリー・高脂肪のひまわりの種を与えすぎると、ハムスターの肝臓は大きなダメージを受けます。脂肪がたくさん肝臓に蓄積する脂肪肝は、ひまわりの種を食べ過ぎたハムスターに良く見られます。
ハムスターの肝臓病は非常に見つけにくいといわれています。お腹が膨れ、元気がなくなってきた頃には深刻な肝臓病「肝硬変」を発症していることも珍しくありません。
肝硬変になったハムスターの治療は、非常に困難を極めます。健康を守るためにも、ひまわりの種を与える際には適正量を守りましょう。
ひまわりの種中毒
ひまわりの種はハムスターにとっておいしい食べ物であるため、与えすぎると他の食べ物を食べなくなる事態を招きます。これは「ひまわりの種中毒」と呼ばれる、れっきとした依存症です。
ひまわりの種中毒になったハムスターはペレットや野菜などを一切食べなくなり、ひまわりの種だけをひたすら食べるようになります。栄養バランスが脂肪のみに偏るため、ひまわりの種のみの食事が健康に悪いのは言うまでもありません。
一度中毒に陥ると、ひまわりの種を減らすのに長い時間がかかります。人間にとってのアルコール依存症にあたるほど、ひまわりの種中毒は治療が難しいのです。
ハムスター用のひまわりの種にはタイプがある!3タイプを徹底解説
市販されているひまわりの種には、いくつかのタイプがあります。ここでは、ハムスター用のひまわりの種を、3タイプに分けて紹介します。
小型ハムスターに適した小粒タイプ
ジャンガリアンやロボロフスキーなどの小型ハムスターには、食べやすい小粒タイプのひまわりの種を与えましょう。大きめのひまわりの種を小型ハムスターに与えると、カロリーオーバーになる可能性が高くなります。
パッケージに「小粒タイプ」の記載があるものは実の小さなひまわりだけを詰め合わせているため、肥満になるリスクが少なくおすすめです。
大型ハムスターにおすすめの大粒タイプ
ゴールデンやキンクマなどの大型ハムスターには、大粒タイプのひまわりの種を与えましょう。ある程度粒の大きいひまわりの種は、大型のハムスターでも手に持って食べやすい傾向にあります。
与える際には、必ずその場でハムスターがひまわりの種を食べているかを確認しましょう。巣箱に持ち帰り隠れて食べる個体の場合、日によってカロリー摂取量が偏る恐れがあります。
隠れてひまわりの種を食べる個体には、ケージから手渡しではなく隠れられない場所でおやつを与えるのもひとつの手です。
高齢ハムスターや子供ハムスターも食べやすい殻むきタイプ
歯が弱った高齢ハムスターや、まだ幼い子供のハムスターは、ひまわりの種の殻をむくのが難しいケースも多いです。殻むきが難しい子には、殻が既にむかれているタイプのひまわりの種を与えましょう。
小さな殻つきひまわりの種の皮を、手の大きな人間がむいてあげるのは至難の業です。給餌の負担を減らすのにも、殻むきタイプのひまわりの種は役立ちます。
ハムスターにひまわりの種を与える際の注意点を紹介
ハムスターにひまわりの種を与える際には、鮮度や食べた量の把握などに注意が必要です。ここでは、ハムスターにひまわりの種を与える際の注意点を紹介します。
湿気たひまわりの種は皮がむけない!必ず乾燥剤をいれて保管しよう
保管状態が悪く湿気てしまったひまわりの種は、ハムスターが皮をむけなくなってしまう可能性が高めです。購入したひまわりの種は、必ず密閉式の容器に入れて保管しましょう。
この際、容器の中に乾燥剤を入れておけば、ひまわりの種が湿気るリスクはより少なくなります。
食べた量を把握するため必ず手渡しで与えよう
ひまわりの種をハムスターに与える際には、必ず手渡しをしましょう。ケージの中にひまわりの種を置いておく与え方では、食べた量を正確に把握できないからです。
ひまわりの種を手渡しすれば、ハムスターとのコミュニケーションをとることもできます。あなたのことを「おやつをくれる人間」だと認識してくれれば、より早くその子と仲良くなれることでしょう。
ハムスターが好きなひまわりの種!適量を守って与えよう
- ハムスターは味覚細胞が発達した動物で、おいしいものを好んで食べるグルメ
- ひまわりの種は高カロリー・高脂肪でハムスターにとっておいしい食べ物
- ひまわりの種にはリノール酸やビオチン、ビタミンEなどの栄養素がたっぷり
- 大型ハムスターには1日1個、小型ハムスターには2日に1個、超小型ハムスターには週に1~2個ひまわりの種を与えるのがおすすめ
- ひまわりの種には3タイプがある!個体の大きさや年齢に応じて使い分けを
- 食べすぎは肥満や肝臓病、ひまわりの種中毒などの病気を招くため注意
- 湿気たひまわりの種は殻むきしにくいため、必ず密閉容器に乾燥剤を入れて保管する
- 与える際にはハムスターに手渡しで与えよう
ひまわりの種はハムスターの嗜好性が高い食べ物ですが、高カロリー・高脂肪のためたくさん与えるには適しません。与える食事はペレットなどの主食をベースにするのが理想です。
ひまわりの種はハムスターに毎日たくさん与えず、時々与える贅沢なおやつとして食べさせる程度にとどめましょう。